浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ごめんなさい。もしかして、アレックス様?そうよね。殿下って呼んだら、いかにもって感じですぐに正体がバレてしまうわよね。そうなったら、いつ暗殺されるかわからないわよね。まぁ暗殺とは別に、その地位を簒奪とか剥奪とかされたりするかもしれないけれど。ごめなさい。わたしってば、そういうことに疎くって。モリーナ王国ってリアルに暗殺が流行っているって知らなかったのよ。モリーナ王国(そこ)で暗殺をしまくっているわりには、ってもちろん、わたしじゃなくってエルバこと黒バラがだけど。とにかく、モリーナ王国を舞台にしているのに、政治的なこととか王族の呼称のことがわかっていなくって恥ずかしいわ。いつの間に王太子が決まったのかしらね。でも、よかったかもしれない。近い将来、モリーナ王国の王族も殺すことになるんですもの。とくに王子たちよね。いっそ王太子にしようかしら。すぐ目の前にいるし。ねっ、殿下?またゆっくり取材させてね。どう、アニバル?すっごくリアルなものが書けるわ」
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