浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ついて行くのは当然でしょう?どうせですもの。小説通りに話を進めなきゃ」
「いや、これは現実だから。命にかかわるんだよ」
「だって、あなた自身も誘ってくれたわよね。カルラといっしょにモリーナ王国に来ればいいって」
「あ、あれは、あのときは連中に見つかったって知らなかったんだ。すべての問題が片付いたら、招待できればいいかなって」
「かまわないわよ。わたしは平気だから」
「いや。きみはかまわなくっても、ぼくはかまうよ」
「いいからいいから。殿下、物事を深刻にかんがえすぎたら胃に穴が開いちゃうわよ。わたしみたいに、もっと将来(さき)を見つめなきゃ。将来にはいいことがある。夢がかなう。しあわせになれる。まったりゆったりスローライフが送れる。さざ波の音をきき、紅茶を飲んでクッキーを頬張りながら、時間の制約なく執筆が出来る。こんなふうにかんがえるのよ」
「お嬢様は子どもの頃から将来を見据え、計画を立てて見事望みをかなえてますものね」

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