浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「へー、殿下って剣を扱えるのね」

 感心してしまった。

 てっきり、ペンより重いものは持ったことがないのかと思っていた。

 あっ、いまのはあくまでも比喩ね。だって、葡萄酒の瓶は平気で持っているから、ペンより重いものを持ったことがないだなんて、ぜったいにありえない。

 アレックスには、剣よりもペンの方がお似合いって感じがするって言いたいのであり。

「当然だ」

 なぜかアニバルが応じた。

「アレックスは、おれの弟子だぞ」
「はあ?おれの弟子だって言われても、最弱の師匠の弟子だったら最最弱の腕前ってことでしょう?それって、他人(ひと)に剣が扱えるってみずから申告するほどのものじゃないわよね?」

 いまのは、ド正論よね?

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