浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

国境を越え、モリーナ王国へ

 結局、いつものランニングコース上にある裏道を使って、モリーナ王国に向かうことになった。

 アレックスたちの隠れ家で遭遇した連中が追ってくることは、容易に想像出来る。先程は、うまくごまかすことが出来た。

 わたしの魅力にかこつけて、けむに巻いたようなもの。ベレー帽の男は、自尊心がありすぎるから逆にごまかしやすい。

 もっとも、こんな方法もこれ以上は使えないかもしれない。もしかすると、もっと別の駒がやってくるかもしれないし。

 追いかけてくるのも、すぐかもしれない。

 フツーに追跡して来たら、今夜か明日か、とにかくそう長くはかからないはず。

 おそらく、向こうはわたしたちがこの裏道を使うと確信し、この裏道を追ってくるに違いない。

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