浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 一度に複数の集団を相手にするより、各個撃破した方が断然いい。

 そんな追跡物のストーリーのあるあるを充分考慮し、結果的に裏道を選択したというわけ。

 ベレー帽の男たちは、そのあるあるをかならずや実践してくれる。わたしは、そう信じている。


 その日の夜は、追跡者たちを警戒して休まなかった。

 が、国境を越えてモリーナ王国に入っても、ベレー帽の男たちはやって来ない。

 夜が明けたとき、もしかするとわたしの推測は間違っているのかと思いはじめた。

 ベレー帽の男を信じていたのに、裏切られた気分である。

 朝、街道に戻った。

 国境近くにわりと大きな街があるらしく、そこで休憩をすることにした。

 追跡者たちののことは、そうね。こうなったらなるようになる、と思うことにした。

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