浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「大丈夫だって?クミ、いったいどういう根拠でそう断言するんだい」

 彼の声が大きすぎた。
 周囲のテーブルで食後の紅茶を楽しんでいる街のおじいちゃんやおばあちゃんたちが、こちらへ視線を向けてきた。

「こういうところでは、殿下って呼ばない方がいいわよね」
「えっ、いまさら?まぁ、そうかもしれないけれど……。だが、ここいる人たちは「殿下」というのはぼくのニックネームか何かと思っているんじゃないかな」
 
 たしかに、そうかもしれないわね。

 殿下っていっても、ピンきりでしょうから。

 前夫の屋敷の隣は、伯爵家である。その伯爵家には飼い犬が二頭いて、オスの名が「殿下」、メスの名が「妃殿下」だった。

 アレックスだって、おなじようなものよね。

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