浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「お食事中、失礼いたしました」

 そこはちゃんと謝罪しておく。

「キュキュキュ―」

 そのとき、ロボがテーブル上で飛び跳ねはじめた。

「ああ、そうだったわ。いまにも殺されるかもしれない殿下を一人にしちゃまずいわよね」

「うんこ」のことに夢中になってしまって、アレックスのことをすっかり忘れていたわ。

「追いかけましょう」

 アニバルとカルラをうながす。

「ちょっと出てきます。お会計は、宿代といっしょに後で支払います」

 こういうことはきっちりしているつもり。無銭飲食だなんて思われたくないし。

 食堂の店員さんにそう告げると、食堂を飛び出した。

 そうして、アレックスを追った。

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