浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「いったい、なんの騒ぎなの?」

 わたしたちが速度を落としてエントランスに近づきはじめたとき、建物内からだれかが出て来た。

 アレックスと対峙している元夫を連れ去った連中の数名は、元夫を両脇から抱えている。

 元夫は観念しているのか気絶をしているふりなのかはわからないけれど、とにかくグッタリしている。

 足を止めた。

 アレックスがわたしたちに気がつき、チラリとこちらへ視線を向けた。

 当然、元夫を連れ去った連中もわたしたちに気がついている。が、彼らは意に介さないようである。というよりかは、建物内から出てきた人物を気にしているみたい。
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