浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 二人に小声で説明した。

 こんな内容、元夫にきかせるつもりはないから。

「ああ、そこは小説あるあるだな。離縁を叩きつけた元夫。その元夫を罠にはめたあたらしい妻。それから本人。どこかの線上で交わり、またあらたな修羅場を作り出す」
「アニバル、あなたもなかなかやるじゃない。たしかにそうね。でも、こういう修羅場は勘弁してもらいたいわ。自分事より他人事の方がずっとずっと面白いでしょう?ねぇ、アレックス?」

 どうかんがえたって、暗殺されそうなアレックスの方がずっとずっと面白いわ。

 アレックスに同意を求めたけれど、彼にはきこえなかったみたい。

 というわけで、あの探偵はちゃんと仕事をやってくれたわけね。

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