浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「キュキュキュ―」

 右肩上でミニモフモフが飛び跳ねている。

「お嬢様、素敵でした」
「ああ、カルラ。クミもやるじゃないか」

 カルラとアニバルも追いかけてくる。

「待ってくれ。おれも戻るよ」

 そして、あたらしくわたしたちのメンバーに加わったドロテオも追いかけてくる。

 さあ、あたらしいシリーズの開幕よ。

 エントランスを出た瞬間、陽光に包まれた。

 思わず、手をかざす。

 離縁からの大冒険。いまからは、わたし自身があらたな小説のシーンをリアルに描くのよ。

 それから、颯爽と歩きはじめた。

「おーい。おれも連れて行ってくれー。だれか、おれもいっしょに頼むよー」

 うしろの方で元夫のか細い声がきこえたような気がしたけど、きっと気のせいよね。

 
                              (了)
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