浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「え、ええ」

 たくさんの本ですね、に対しての答えである。

 下手に言い繕うのもおかしいから。

「カウンターまで運びますよ」

 なんと、気の遣いようまで小説のまんまだわ。

 恐れ入ったわ、小説まんま君。

 年の頃は同年齢か少し上くらいかしら?やわらかそうな金髪に、空の色の蒼い瞳。顔の造形の良さは言うまでもなく、体型も長身でそこそこ筋肉がついていそうで理想的な感じ。服装は、白いシャツとグレーのジャケットに同色のスラックスこざっぱりしている。

 物腰のやわらかさや醸し出す雰囲気は、上流階級の人間であることは間違いない。


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