浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 アニバルにはわたしの過去のすべてを伝えている。

 長年いっしょにいるカルラ同様、なぜか彼は信頼出来る感じがするから。

 まぁその彼が言うくらいだから、すくなくとも殺人とか詐欺とかそういうことをする犯罪者ではないのでしょう。

 もっとも、わたしを殺したりだましたところで何も得るところはないのだから。

 急遽一人増えることになり、ディナーの準備にカルラと二人で追われた。

 準備中は、間もなく訪れるであろう男性作家の話題で盛り上がった。

 どんな容姿なのか、どんなジャンルの作家なのか、など。

 そして、噂の男性作家は、ディナーの準備が終ったタイミングでやって来た。

「おお、来たな」

 アニバルは、まるでこの別荘の主みたいに玄関扉を開けて迎えている。

 カルラと二人、いっしょに玄関扉へ向かった。

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