浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「女の割りには力が強い」

 って、思ったはず。

「こちらは、クミの尻ぬぐい兼命綱のカルラ・サンターナ嬢だ」

 わたしがカルラを紹介するまでに、なぜかアニバルが紹介していた。

「ちょちょちょ、いまのはどういう意味なのよ?」

 たしかにそうかもしれないけれど、アニバルにそんなこと言われたくないわ。

「そのまんまの意味さ。だろう、カルラ?」

 アニバルがおどけたように同意を求めると、カルラは美しい顔にやわらかい笑みを浮かべた。

「そんなこと、少しだけありますけど……」
「ちょっ……、カルラ、あなたまでなにを言っているの」
「お嬢様、冗談ですよ。わたしは、お嬢様にいろいろ救われています」
「ええ、お二人の様子でわかるような気がします。アレックスです。よろしく」

 カルラもアレックスと握手を交わした。



< 48 / 330 >

この作品をシェア

pagetop