浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

ディナー

「だとしても、楽しい夢だから」

 アレックスとまた視線が合った。

 そうね。悪い夢じゃないわ。どちらかと言えば、いい夢かもしれない。

「だとしたら、目が覚める前にディナーにしましょうよ」
「それはいい。覚めるんだったら、食って飲んでからだ」

 提案すると、すぐにアニバルがのってきた。

「葡萄酒を持って来ているんだ。初対面の挨拶がわりにね」

 アレックスは、馬車でやって来ていた。

 一ダースの葡萄酒持参で。

 彼はいったい、わたしがどれだけ飲む女流作家だと思っていたのかしら。

 というか、アニバルがいらないことを言ったんじゃないでしょうね?


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