浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 まあ、モフモフでも狼だからこんなものなのかしら?

 そう結論付けることにした。

 彼を抱き上げ、食堂へ戻った。

 食後は、居間に移ってお酒を飲むことにした。

 とはいえ、持参してくれた葡萄酒だけれども。

 後片付けは、アレックスも手伝ってくれた。手際がいいのに驚きつつ、カルラと三人でささっとすませた。

 当然だけど、アニバルは手伝わない。いつものことである。

 長椅子にカルラと座り、ローテーブルをはさんだ向こう側にアニバルとアレックスが座っている。

 談笑しながら葡萄酒を飲み、チーズをつまむ。

 二年以上前、まさかこんな場面を経験することになるとは想像もしていなかった。

 作中でのことならいくらでも出来る想像も、自分自身になぞらえると脳裏の片隅にチラリとでも浮かんでこない。

 だけど、これは現実なのである。

 モフモフは、わたしのお尻の横でモフモフしている。たぶん眠っているのね。
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