浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「二人とも、だからか?だから、いつも締め切りに間に合わないのか?」

 そのとき、アニバルが尋ねてきた。とはいえ、彼はすっかり酔ってしまっている。

 彼は、アルコールにそれほど強くない。それでも、飲む。楽しい飲み方だから問題ないんだけど。ちょっとだけしつこかったり、鬱陶しかったりするくらいかしら。

「あー、そうかな?」
「そうだったかしら?」

 アレックスと視線を合わせたまま、同時にしらばっくれた。

 そう。やらねばならないことをせず、どうでもいいことをしてしまう。

 だから、たいてい締め切りに間に合わない。その度に、アニバルから矢のように催促がくる。ひどいときには、彼自身がやって来てお尻を叩かれる。

 ぜったいにアレックスも同じなはず。

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