浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ところで、きみはどういう小説を書いているんだい?」
「ところで、あなたはどういう小説を書いているの?」

 口を開いたタイミングがまったく同じだった。

 二人の声がかぶってしまった。

 ディナー中もずっと気になっていたこと。

 向こうも気になっていたのね。

 それはそうよね。

「なんだと思う?」
「なんだと思う?」

 またかぶってしまった。

「おいおい、すっかり意気投合しているじゃないか」
「そうですよね。タイミング、バッチリです」

 アニバルとカルラは、無責任に言っている。

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