浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

また会う約束

「クミ。きみさえよければ、おたがいの著書を交換出来ればって思うんだ。そうすれば、口に出さなくても分かり合えるし、読めばおたがいのことがわかるかもしれない」
「いいアイデアだと思うわ。だけど、ストーリーや文脈が作者のすべてというわけじゃないと思うのよ」

 だとすれば、わたしはとんでもなくバイオレンスな女になってしまう。日常茶飯事的に、血と暴力に接していることになる。

 物騒この上ない。というよりか、人間(ひと)をフツーに殺したり、肉体的にも社会的にも再起不能にしたりなんて怖すぎる。

「もちろんだとも。それがすべてじゃない。だけど、作風とかは参考になるかもしれない」
「そうね」
「きみの作品はいますぐにでも見せてもらえるだろうけど、それだと不公平だろう?どうだろう。明日、きみに予定がなければ、ぼくのを届けに来たいんだけど。明日、交換するということでどう?」

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