浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「なあ、おれも入っていいか?」

 アレックスに対してのリアクションに困っていると、アニバルに邪魔をされてしまった。

「あら?いたの、アニバル?」
「『あら?いたの、アニバル?』じゃないだろう?ずっと玄関先に立っていたんだぞ」
「ごめんなさい。気がつかなかったわ。あなた、モリーナ王国に帰ったんじゃなかったの?」

 アニバルは、プリプリしながら入ってきた。

「悪かったな。一日延期したんだ。ほら、今日は二人でおたがいの作品を読みまくるんだろう?その間に、カルラと街の市《いち》でもぶらっとまわってこようかなって」

 なんてことかしら。

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