浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「おいおいおい、何を言いだすんだ。クミ、いったいおれのことをどんな男だと思っているんだ?そりゃあおれは、顔の造形がほんのちょっとだけ残念だったり、さらにほんのちょっとだらしなかったりするさ。だが、レディに対して不真面目だったり不謹慎だったりなんてことはぜったいにない」

 彼は、マジでムッときているみたい。マジで怒っている。

「カルラのこと、マジで好きなんだ。真剣に愛している。仕事も手につかない。だから、ムダにきみのところに原稿の催促や打ち合わせに来てしまう。そんな必要はないのにだ。これまでこの仕事一筋で、休みなんてまともに取ったことがなかった。だが、彼女に会ってからは休みを取ってここに来るようになった。今回も休んできているんだ。仕事で、じゃない」

 驚いたわ。まさか彼がそんなに真剣だっただなんて。

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