浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 だったら、もう少しきっちりとした恰好や行動をして欲しいんだけど。

 だけどまぁ、それはあくまでもわたしの観点でである。カルラは気にならないのかもしれない。

 もっとも、カルラはわたしのだらしのなさに対しては、キレまくった上にけちょんけちょんにけなすけれど。

「わかった。わかったわ。ごめんなさい。彼女はわたしの姉みたいな存在だから、ぜったいにしあわせになってもらいたいの」
「おれに任せておけ」

 アニバルは、拳で自分の胸を叩いた。

「ゴホッ」

 まるでラブコメディね。叩き具合がきつすぎて、咳き込みはじめた。

 不安でしかないんだけど……。

 いずれにせよ、いまは様子をみるしかないみたいね。

 上半身を折って咳き込んでいる彼を見ながら、小さく溜め息をついた。


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