浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「レディたち。おくつろぎのところ恐縮なんですけど、今朝はお客様がいらっしゃっているのでボケーッとするなら裏庭でしてくれないかしら?」

 手でアレックスを示した。

 二羽の視線が、わたしから彼へと移る。

「やあっ、レディたち。今朝も可愛いね」

 アレックスは、手を振ってニワトリたちに挨拶をした。

 なるほど。わたしには社交辞令でも可愛いとか美しいとか一言もないのに、ニワトリたちには愛想よく言うのね。

 にこやかな美貌を見つつ、ちょっとムッとしてしまった。

 わたしってば、ニワトリに妬いているわけ?

 そんな自分がバカみたいに思えてくる。

「キュー」

 わたしがバカだってことを肯定するかのように、ロボが肩上で鳴いた。

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