浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ワオッ!ほんのりあたたかい」
「でしょう。市場に出ているものよりもっと新鮮よ」
「すごいな。ニワトリが産んだばかりのものってはじめて見たよ」
「そうよね。なかなか機会がないわね。これだったら生で飲めるんでしょうけど、さすがに抵抗があるから調理してしまうの」
「ええ?これを生で?」
「もちろん、殻は割ってよ。いくらなんでも、ヘビじゃないから殻のままはムリよ」

 アレックス。あなた、小説のまんまだけでなく、どこか浮世離れしたところがあるわよね。

 まだそんなにともにすごしているわけではないけれど、どことなく育ちのよさを感じる。

 じつは貴族子息とかやり手の実業家の御曹司とか、裕福な地主の跡取りとか、そんな上流階級のにおいがする。

 もっとも、傲慢であったり鼻にひっかっかたりなんてことはいっさいない。

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