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――小型艇救助から二十一日後。


僕とミチルの仲は、すでに艦内でも周知のものとなっていた。

最初の頃でこそ、ミチルにアプローチをかける男や、僕とミチルの間に割って入ろうとする男が何人かいたが、今ではそんな連中も近づいてこなくなった。

民間人であるミチルの身を案じていた艦長も、僕が誠実に接していることを知って黙認してくれたようだった。

暇さえあれば二人は顔を合わせ、心地よい時間を共有していた。

まだ相手に対する恋愛感情を口にしてはいないものの、互いが強く惹かれ合っていることは二人とも確信していた。


食堂でいつもの席に陣取っていると、ミチルが朗らかな笑みをたずさえてやってきた。

「やあ、ミチル。研究室に提出するレポートは書き上げたのかい?」

「うん、さっきEMW通信でチーフと話したんだけどね、提出は無期限にしてくれるって言ってたからね、戻ってから書くことにする」

ミチルはトレイをテーブルの上に置き、僕の真向かいに座った。

今日も一段とエキセントリックな寝癖がついている。やはりチャーミングだ。

「それはよかった。ミチルの心配事が解消されて僕も嬉しいよ」

「うん、ありがとう。ミチルも嬉しい」

満面の笑みでチョリソに噛りつく。
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