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通路の前方から男が一人歩いてくる。


ヒルカワ――!


片手を上げ、親しげな笑みをミチルに向けていた。

ミチルがヒルカワに一礼する。


僕の心臓は狂ったテクノミュージックのようなリズムを刻み始めた。


ヒルカワは馴れ馴れしくミチルの肩に手を置き、通路の先を指差して何やら話しかけていた。


肩に置いた手を腰のあたりまで下ろし、ミチルを促すようにして歩き出した。


何のつもりだヒルカワ……。


船窓からの死角に入り、二人の姿が見えなくなった。

僕は慌てて隣の船窓に移動した。
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