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ミチルの腰に手を当てたまま、ぴたりと身を寄せて歩いている。


その手をどけろヒルカワ……。


再び死角に入った。急いで隣の船窓に移る。





ミチルの耳元に顔を寄せて話しかけていた。


何を話している……ミチルに近づくんじゃない……。


死角に入った。隣の船窓へ。





この先はすぐに居住エリアだ。


まさか、ミチルを部屋に連れ込むつもりじゃないだろうな……。


死角。次の船窓へ。





ヒルカワ……貴様……。


死角。次の船窓。





居住エリアに入った。


やめろヒルカワ……。


死角。次の船窓。





レイプ。クスリ。ミチル……。


死角。次の船窓。





レイプ。クスリ。レイプ。


死角。次の船窓。





ミチル。レイプ。クスリ。レイプ。ベッド。ミチル。


死角。次の船窓。





レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ。レイプ――。


死角。次の船窓。





ヒルカワが部屋の前で立ち止まった。


カードキーをリーダーに通しドアが開く。

ミチルは戸惑った様子で、ヒルカワの顔と部屋の中を交互に見ていた。


ヒルカワが背中を押すようにして、ミチルを部屋に入れた。


殺す――。


不意にヒルカワが振り返り、こちらに顔を向けた。


船窓ごしに僕を見ている――。



つかの間、時の流れが静止したかに思えた。



ヒルカワが舌なめずりをする。


僕の殺意が増幅される。



セラミックスの外壁に隔てられた、わずか六十フィートの距離が果てしなく遠い。



そしてヒルカワは不敵な笑みを浮かべ、部屋の中に消えていった。














不敵な笑みを浮かべ、じりじりと間合いを詰めて来る。
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