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女に声をかけようかと考えていた。

話をすればどこで会ったのか思い出すかもしれないし、勘違いならそれでかまわない。

とにかく、僕は女に強く惹きつけられていた。


ビールを飲みながら考えを巡らせていると、女も僕のほうをちらちらと見ていることがわかった。


脈ありかもしれない――。

うまくいきそうな気がしてきた。

第一、こんな店に一人で来るくらいなのだから、その気がないというのも不自然じゃないか?


よし、と心の中で呟く。

三分の一ほど残っているこのハイネケンを飲み終えたら女に声をかけよう。

途端に気力が満ちてきた。



空になったビール瓶を勢いよくカウンターに置いて席を立とうとした時、

狭い入り口のドアが開いた。
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