僕の姫様、必ず守るよ


体育のリレーの声を聞きながら、
うとうとしていたその時




「ガチャ」




屋上の扉が開く音がした。


ここは、私が使っているから怖くて誰も
近寄ってこないのに。


誰が入ってきたのかと、ドアの方を見ると
黒髪で背が高い男子生徒が立っていた。






「「 え 」」





言葉を発したのは、同時だった。


誰もいないと思っていた男側と、思っていた
チャラ男みたいなやつではなく、
地味な男が現れたと言う私側と。


私がいるのに屋上に入ってくるなんて、
まともじゃないからてっきり私と同じ不良
が入ってくると思ったのに。




「ここ立ち入り禁止だよ」



「でも、君はそこにいる」



「知らないの?もしかして転校生?
 ここは私の場所だから。」



「横暴だね」



「うっさい。で、見ない顔だけど転校生?」




「違うよ。
 
 久しぶりに学校に来て屋上に
 来たら君がいたんだ。

 君、靴の色的に一年生だよね。


 屋上友達として、改めてよろしくね。


 さっそくだけど、
 君の名前を教えてくれる?」


< 13 / 280 >

この作品をシェア

pagetop