僕の姫様、必ず守るよ
体育のリレーの声を聞きながら、
うとうとしていたその時
「ガチャ」
屋上の扉が開く音がした。
ここは、私が使っているから怖くて誰も
近寄ってこないのに。
誰が入ってきたのかと、ドアの方を見ると
黒髪で背が高い男子生徒が立っていた。
「「 え 」」
言葉を発したのは、同時だった。
誰もいないと思っていた男側と、思っていた
チャラ男みたいなやつではなく、
地味な男が現れたと言う私側と。
私がいるのに屋上に入ってくるなんて、
まともじゃないからてっきり私と同じ不良
が入ってくると思ったのに。
「ここ立ち入り禁止だよ」
「でも、君はそこにいる」
「知らないの?もしかして転校生?
ここは私の場所だから。」
「横暴だね」
「うっさい。で、見ない顔だけど転校生?」
「違うよ。
久しぶりに学校に来て屋上に
来たら君がいたんだ。
君、靴の色的に一年生だよね。
屋上友達として、改めてよろしくね。
さっそくだけど、
君の名前を教えてくれる?」