僕の姫様、必ず守るよ
ナンパみたいと、思いながらも気づいたら
答えていた。
雅と名乗る男子生徒の雰囲気があまりにも
柔らかく優しいものだったからだろうか。
「苗字は和泉。
下の名前はおうか、桜に花で桜花。一年。
名前答えたんだから、あんたの名前も
教えなさいよ。」
「僕の名前は雅(みやび)だよ。藤宮雅。
高校3年生だよ。
改めてよろしくね、桜花ちゃん。
僕のことは雅って呼び捨てで構わないから」
雅はニコニコしながら、私に言った。
「気安く桜花って呼ぶな。」
「固いこと言わず、ね、桜花ちゃん」
雅の第一印象は、見た目に反して
チャラいやつ。
前見えてるの?ってぐらい髪が長くて
根暗な見た目なのに。
「やっと見つけたよ」
雅がそんなことを言っているなんて、
気づきもしなかった。
雅との出会いが、私の人生を180度
変えることになるなんて。