僕の姫様、必ず守るよ
溜まり場に着くといつもの部屋ではなく
奥の部屋に通された。
すごいしっかりした部屋。
こんなところあったんだ。
私が部屋を見渡していると、
「ここは、総長室だよ」
そう教えてくれた。
そんな部屋で何の話だろう。
ここでしか言えない話なのだろうか。
心臓の音が聞こえるぐらい、私は変なドキドキ
を感じていた。
「あのね、桜花。
君のことを炎舞は僕は手放そうと思う」
「えっ...それって私が要らないってこと?
桜龍に手を出すってこと?」
私はみんなのことを守れなかったのかと
焦ってパニックになりかけていた。
すると葵は、
「落ち着いて。桜花。
僕たちはもう桜龍にも桜花にも手は
出さないよ。
君のことを諦めるのは本当はとても
嫌だけどね。
話っていうのはこの話。」
葵は無理した笑顔をつくって言った。
「だから、君は桜龍に戻るんだ。
一連の騒動は僕の自作自演だったって
きちんと説明する。
僕の桜花のことが好きっていう気持ちが
先走っちゃったのがいけなかったんだ。
桜花に振り向いて欲しくて、桜花を僕の
姫にしたくて、無理やり連れてきて
しまったから...」
葵は肩を落としながら言った。