僕の姫様、必ず守るよ



「君にはたくさん迷惑をかけたね。

 本当にすまないことをしたと思ってる。

 僕にできることなら何でもするから
 言ってほしい。

 明日はとりあえず、迎えに行くね。

 明日桜龍に説明することとか色々話そう」



葵は真剣な眼差しで言った。



葵にはそう言われたけど、私に戻る場所
なんてあるのだろうか。


いくら誤解を解いてくれても、私が桜龍に
戻れる保証はない。


疲れで思考がショートしていた私は、


あぁ、私は桜龍にも炎舞にも捨てられたんだ


そう感じた。


それから、家まで送り届けてもらったけど
私はここで何をしたらいいのか。


守るものを失い、私に残ったのはこの
小さい箱という家だけ。


布団に入り、眠れないまま朝の4時を
迎えた時ふと



あぁ、死んでしまえばいいんだ。
そうしたら、この感情から解放される。




そう思いついた私は、電車を乗り継いで
そこからはタクシーで海岸まで向かった。

< 153 / 280 >

この作品をシェア

pagetop