僕の姫様、必ず守るよ
「あのね、南さんの体操服がないのよ。
それで、授業にあまり出てない
あなたならどこかに隠せると思って。」
失礼極まりないと思いながらも、
仕方ないと思っている私がいた。
昔から、この性格のせいと授業に
出てないという理由で何か問題が
起きるとよく疑われていた。
今回も、めんどくさいからそういうこと
にしとくかと思っていたら、
「桜花ちゃんはやってないよ。」
横から雅が口を挟んだ。
「他学年のお前には、関係ないだろ!」
「何を根拠に言ってるんだよ、根暗!」
「なんで、私たちのクラスにいるのよ!」
やっぱり、後輩からも根暗扱いなんだ。
というか、なんでいるのよ!
「桜花ちゃんは、こんな性格だけど人のこと
を傷つけるようなことはしないよ。
それに朝早い時間に南さんの隣にいる
男の子が、南さんの机の中を漁っていたの
を見たよ。
朝早すぎて、クラスには誰もいなかった
からみんな知らないと思うけど。
関係ないから、見て見ぬふりしたけど桜花
ちゃんが傷つくなら話は別。
君、南さんのストーカーだよね?」
「お前がやったのかよ!」
「キモすぎる!」
「ぼ、ぼ、僕じゃないよ!!
適当なこと言うなよ!」
明らかにしどろもどろしている彼。
すると雅が、
「こんなこともあろうかと、朝写真撮った
けどいる?」
そこには、犯行の現場を写した写真があった。
すると、観念したように彼が口を開いた。
「だって、南さん全然僕に振り向いてくれ
ないから、振り向いて欲しくて」
「だからってキモすぎる!」
それからの、彼に対するブーイングの嵐は
先生がくるまで止まなかった。