僕の姫様、必ず守るよ

私も手伝うことにしたのだが、
ピーマンを切ったら指を切りそうになるし
玉ねぎを切ろうとしたら涙が止まらなくなるし
手伝いというより、邪魔にしかなって
なかった。



それでも雅は、



「桜花ちゃん、ピーマンの切り方上手だね」


とか


「玉ねぎは目に染みるね」


って言いながら一緒に切ってくれた。



私がどんなに失敗しても、大丈夫だよと
一緒に作ってくれた。



そんな雅の優しさがたまらなく嬉しかった。



「できた‼︎」


「上手にできたね」


半分は雅が作ったようなものだけど、
初めてにしては上手く作れたんじゃない
だろうか。


盛り付けをして、食卓に並べた。



「いただきます」


「召し上がれ」


一口、口に運ぶとふわふわの卵と
ケチャップライスの味が口いっぱいに
広がって、今まで食べた中で
一番美味しかった。



「雅‼︎すごい美味しいよ‼︎
 
 雅は天才だね‼︎」



私が雅を褒めると、一瞬驚いたような顔をして
顔を赤らめた。


「どうしたの雅?」



「桜花ちゃん、それはちょっと反則」



「反則って何が?」



「無自覚でやってるとは...

その顔、他の人に見せたらダメだよ」


「なんでかよくわからないけど、わかった」


「いい子だね」


雅が私の頭を撫でてくれた。



「なんか、犬みたいなんだけど」


「そんなことないよ」


雅がニコニコしながら、まだ私の頭を
撫で続けている。



「そうだ、桜花ちゃん」


「どうしたの?」


「ご飯食べ終わったぐらいに先生を
 呼んだから、診察受けようね。

 この部屋でやるから、何も不安なことは
 ないよ。

 もし、気になることがあったら言ってね。

 僕は部屋から出てるから、お医者さんに
 気になることがあったら聞いてね」



「えっ‼︎雅、一緒じゃないの?」



「逆に嫌じゃないの?」




「嫌じゃないよ。

 むしろいてくれないと不安。」



「わかった。一緒にいるね。」



「ありがとう。雅。」



「こちらこそ、ありがとう。

 そばにいさせてくれて。

 それじゃあ、オムライス食べちゃおうか‼︎」



「うん‼︎」



二人で作ったオムライスは、とても美味しくて
すぐ完食した。


いつもだったら、全然食べれないご飯が
とても美味しかった。


やっぱり、雅の力はすごいな~と改めて
感じた。

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