僕の姫様、必ず守るよ


鍵をあけて、自分の部屋に行く。


部屋は少し埃っぽくなっていたけど
私が出て行った時から、何も変わって
いなかった。


キャリーケースに必要なものを詰めていく。


物を詰めながら、いろんなことがあったな
としみじみする。


雅が手伝おうかと部屋に入ってきた。


「ありがとう。手伝ってくれると助かる」


二人で荷物を詰めていく。


この家は、父が住み母は別の家に住むらしい。


「桜花ちゃん、写真立てが棚の裏に
 落ちてたよ」


「ありがとう」


写真立てを受け取り、写真をみると
小さい頃の私と父と母がいた。


家族で初めて行った遊園地の写真だった。


この時はすごい幸せだった思い出がある。


感慨に耽りながら荷造りを再開した。

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