僕の姫様、必ず守るよ
「昔、中学2年の頃。
僕に喧嘩を挑んできた不良娘ちゃんは
どこの誰だっけ?」
「えー‼︎
あの時の先輩って雅だったの!?」
「そうだよ。
当時の僕も喧嘩負けなしでさ。
女の子と喧嘩することなんて
あの時以前も以降も一度もないよ。
記念すべき僕の初の体験だったってわけ」
「いつから、気づいていたの?」
「んー、屋上で会ったときから?」
「最初からじゃん!」
「僕は桜花ちゃんに会った瞬間すぐわかった
のに桜花ちゃん、全然気が付かないんだ
もん」
「早く言ってくれればよかったのに!」
「本当は、桜花ちゃんに気づいてほしかった
んだけどな〜」
雅が拗ねたような顔をした。
「それは、ごめん」
「いいよ、そんなに気にしないで。
気づいてほしかったのは、本当だけど
あの時から雰囲気変えちゃったから。
気づかなくても無理ないよ」
「できれば自分で気づきたかったな...
それにあの時って一番不良娘だった時
じゃない‼︎
すごい恥ずかしいんだけど...!」
「あの時もまっすぐな目をした
可愛らしい女の子だったよ」
「絶対そんなことない‼︎
あの時とか、ずっと喧嘩してたし...」
「そんなことあるよ。
今も昔も変わらず可愛いよ。
でも喧嘩は高校になってやめてくれて
よかったかも。
今、喧嘩する桜花ちゃん見たら心配で
倒れちゃうよ」
「でも、ずっと雅に会ってあの時の再戦
を申し込もうとしてたのに...」
「桜花ちゃんと喧嘩とか100%無理だよ‼︎」
「確かに。私も雅と喧嘩とか考えられない。」
「喧嘩はもう引退して、これからは僕の隣で
ずっと笑っていてよ」
「わかった。努力します」
「ダメ。絶対って約束して?」