僕の姫様、必ず守るよ


家の中に入ると、珍しく母親がいた。



「あんたこんな時間まで何してんのよ。

 父親に似て節操がないわね」




そう言い残して、玄関から出ていった。


その瞬間、ずっと我慢していた
涙腺が決壊した。


本当は、誘拐されてすごい怖かった。


誰かに助けを求めたかった。

でも、私に助けを求められる人なんていない。


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