僕の姫様、必ず守るよ


叶芽と出会ったのは、近所の公園。


中学生になりたての、4月ごろのこと。


家に帰るため、公園を通り過ぎようとした時
公園で女の子がいじめにあっていた。


めんどくさいから見なかったことにしようと通り過ぎようとしたその時、あまりにも低俗な言葉が聞こえてきた。



「おまえ、最近引っ越してきたやつだろ~」

 
「そのフリフリ、なんだよ笑」


「恥ずかしいやつ~笑」



私が住んでいるこの町で、フリフリのレースの女の子なんていない。

それが理由で公園でいじめに遭っていた。

女の子は、涙を堪えながらずっと立ち尽くしていた。

なんで、言い返さないのだろうと
イラッとして、つい助けてしまった。



「女の子いじめるとか、レベル低すぎて
 笑えるんだけど」



私を見るといじめていた、男の子達は



「桜花だよ、帰ろ帰ろ」



と言ってそそくさと帰っていった。

私はずっと喧嘩負けなし不良少女。

だから、同級生や先輩から怖がられていた。


私は女の子の方を向いて、


「なんで言い返さないんだよ、ちゃんと
 言い返さないとまたいじめられるぞ」


すると、女の子は私の言葉を無視して


「さっきはありがとう!私、叶芽っていうの!
 よろしくね!名前なんて言うの?」
 


とさっきまでいじめられていたとは
思えない声色で話しかけてきた。


このまま無視して帰ろうと思ったが、
気づいたら名前を答えていた。



「おうか、桜に花で桜花」


「桜花ちゃん、とても素敵な名前だね。
 桜のように凛とした、桜花ちゃんに
 ピッタリの名前だね」


「そんなこと初めて言われたよ。
 あんた、変わってるね」


「あんたじゃなくて、か.な.め!
 友達なんだからちゃんと名前でよんでよね」



いつ友達になったのかは知らないが、
気づいたら友達?になっていた。

それからと言うもの、叶芽はいつも私に
くっついていた。



それから3年。
私達は、中学3年生になった。
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