僕の姫様、必ず守るよ



「ここに来たら雅に会えると思って」


「桜花ちゃんに会えて嬉しいな。
 それで、僕になんの用事があったのかな?」


「えっと....

なんで今日根暗スタイルなの!!」




緊張しすぎて、すごいどうでもいいこと
聞いちゃった。




「桜花ちゃん、学校での僕を根暗スタイル
 って呼んでたの!?

 ひどいよ~

 学校で、金髪だと目立つから黒く染めて
 学校に来てるんだ。

 学校の人と話すの苦手だから、
 学校の人対策で前髪は長くしてるんだ。

 こっちの方が人に話しかけられなくて
 一石二鳥だしね!」





前髪あげた金髪の雅かっこよかったから
学校でそれやったら、女子の群れが
できて大変そう。



なんて、呑気なこと思ってたら雅が



「僕も桜花ちゃん話したいことあるんだ。
 話してもいい?」


「うん。」


「ありがとね」



雅が話してる間に、気持ち落ち着けて
姫のこと言おう!と思っていたら



「あのね、桜龍の姫のことなんだけど
 この間急がなくていいよって言ったよね」



「うん」



「でも、肝心な僕たちの気持ちを伝えなまま、
 ただ姫になってって言うのは横暴だと
 思って。

 だから、僕たちの気持ちを伝えるね」



「雅達の気持ち?」



「そう。

 僕達桜龍はね、みんな色々事情を抱えた
 者同士集まったグループなんだ。

 みんな何かを抱えてる。

 その事情を打ち明けてくれた人もいるし
 心のうちに秘めたままの人もいる。

 でも、無理には絶対聞き出さない。

 それが、暗黙の了解だからね」


雅は、宝物のことを話すように話してくれた。


桜龍のことを紹介してくれた時も、家族って
言ってたから、本当に大切な存在だってことを
改めて私は感じていた。


私は、みんなの仲間になっていいのか。


一度決めたはずなのに、揺らぎそうになって
いる。

やっぱり、私がいていい場所じゃない。

姫になるのを、断ろうと思ったその時




「僕たちはね、桜花ちゃんにも仲間に、家族
 になってほしいと思ってる。

 桜花ちゃんが何か抱えてるのは、みんな
 薄々だけど気づいてるよ。

 でも、絶対に無理に聞き出さないから。

 命に変えても、約束する。

 ただ僕たちは、桜花ちゃんの少しでも
 安らげる場所になればいいと思ってる。
 
 改めて、桜龍の姫になってほしい。

 これが、僕たちの気持ちだよ」



雅から気持ちを聞いた時、涙が止まらなく
溢れてきた。

雅の話を聞くに、温かい場所なのは
すごい伝わってきた。

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