僕の姫様、必ず守るよ
人の気配は、人一倍感じれるのに葵の気配は
微塵も感じられなかった。
「なんでいるのよ!」
「しー図書室では静かにね」
葵は不敵な笑みを浮かべながら言った。
その時、携帯に通知が来た。
雅からだ!
そこには、もう終わる?校門で待ってるよ。
との文字があった。
雅に助けを求めようと、メッセージを開こう
としたら
「そのメッセージ、桜龍の総長からでしょ?
まだ、返事したらダメだよ。
返事をするのは、僕の話を聞いてからに
してね。
もし勝手に返信したら、ここにいる人たち
を切り裂くよ」
葵はカッターナイフをちらつかせながら
言った。
図書室にはまだ10人ぐらいいる。
ここは図書室の奥の死角。
司書さんに助けを求めるのは無理そう。
本当にやらないだろうだろうと一瞬思った
けど、葵の眼は本気に見えた。
この男ならやりかねない。
私の感がそう言っていた。
仕方なく葵の話を聞くことにした。