更生係の憂鬱生活
落とし穴にハマるつもりで来たけど。
これは、…キレるわ。
普通に有り得ないんですけど!
笑うより先に、助けろよ。
プチーン、と弾けた堪忍袋。
顔をあげると、奴らを睨みつける。
『アンタら、ふざけんのも大概にしなよ!
もし、普通の子が落ちたらどうすんの!』
私だったから、良かったものの。
か弱い美少女が落ちでもしたら、責任取れんのか!
ツッコミどころが半分可笑しいのはご愛嬌ということにしておく。
啖呵を切りまして、数秒後。
はっと我に返った。
奴らが揃いも揃って、ポカーンとしていたからだ。
キレてください、という指示がありはしたけれど。
…そういえば、コイツら族だった。
いつもの指導のノリで言っちまった。
地味子、今から族に殺られるかもしれません。