更生係の憂鬱生活
どうやら、歓迎しているらしいが。
大変理解に苦しむ。
上機嫌に微笑みかけてくるのは、何故…?
何で“更生係”なんてもん付けられて嬉しそうなんだよ。
意味わかんない、てか分かりたくない。
「仲良くしようね!」
そう言いながら、近付いてくるや否や、お姫様だっこしてきた。
『は?』
突然すぎて、思考がフリーズした。
「じゃ、掴まってて」
事は、一瞬だった。
景色が変わって、いつのまにか、落とし穴から救出されていた。
ストンと地面に降ろされ、私は呆然としながら三好奏を見上げていた。
何が起こった??手品か??
「ヒュー♪さっすが、奏君」
茶化す黒髪イケメンを、三好奏は相手にせず私だけを見ていた。
ニコニコと、それはもう可愛らしく。
凝視は、敵意か好意の現れ。
どっちなんだ。