更生係の憂鬱生活
「泥だらけにして、ごめんね」
許して、と手を合わせて、三好奏が可愛く言ってくるけど。
『だったら、もう落とし穴なんて止めることだね』
甘やかしませんからね。
「ケチー!」
つれない私に、三好奏は頬を膨らませて拗ね出した。
カッコイイから、可愛いからって、何でもは許されないんだぞ。
せいぜい、現実の厳しさというものを知れ。
「今時三つ編みに眼鏡って…昭和?」
三好奏の片割れである三好代那が物珍しそうに私を見ていた。
一卵性の双子なのか、顔がそっくりだ。
茶髪と色素が薄い茶色の目は地なのだろう。
見た感じは…うん、好青年だ。
いつもは優しくて穏やからしいけど。
キレたら凶暴化するらしい。
豹変ぶりが恐ろしいとの噂。
私に猛獣使いになれってか。