更生係の憂鬱生活
いざ対面してみれば、只の美形の集まりにしか見えないけど。
関わってみて、そのイカれ具合を何となく理解した。
「澪って呼んでいい?」
『…好きにして』
始終ニコニコしてる奏に、私は呆れて物が言えない。
私は、アンタらの敵みたいなもんじゃないの?
敵をウェルカムしてんじゃないよ。
…攻撃されるよりは、マシなのか?
理解不能な連中だ。
どうして、私がコイツらの“更生係”を任されたんだろう。
全くもって、私の手に負える気がしない。
今のところ、めちゃくちゃ嫌われてはいないようだけど、好かれてるとも言えない。
言うなれば、新しい玩具を見つけた子供みたいな反応に近い。
…さっさと終わらせないと身が持たなそうだ。
ー…得てして、微妙なスタートラインを越えた。