更生係の憂鬱生活
「えーっ!しようよー!」
奏に肩を揺さぶられて、視界が揺れる。
『ちょ、揺らさないでよ』
駄々をこねる奏が面倒くさく感じた。
更生係っていうか、子守じゃん…。
双子と京平の話に巻き込まれていたら、あっという間に昼休みが終わりかける。
はぁ…、やっと解放される。
『私、そろそろ行くね』
時計を見上げて、ソファから立ち上がるものの、双子に引き止められる。
「「まだ話そうよ」」
ガシィと両腕を掴まれ、動くに動けず。
手を離して下さい。
『嫌だよ、アンタ達こそ授業出れば?』
私は、授業をサボるような不良ではない。
更生係らしく、真面目コースへ誘う。
…が。
「出ないよ〜、つまんないし」
「飽きる…」
「退屈だもんね」
…そうだ、コイツら本物のヤンキーじゃん。