更生係の憂鬱生活

まぁ、更生係じゃなかったら、見て見ぬフリをしたい状況ではある。

でも。


『ほっとけないよ、私はBLAZEの更生係なんだもの』


更生係なんて、ついてない役割だけどさ。

やると決めたからには、譲れないし、投げ出せない。


『喧嘩なんて止めて帰ろうよ』


アイスくらいまた買えばいいじゃん。

ね、と呼びかける私に、代那は不思議そうに言った。


「…なんで、そんなに僕らに構うわけ?」


『え?』


「…ゆうて、僕らって異端じゃん。

 更生させる義理なんてないでしょ」


“異端”という言葉を自ら使っているのを見て驚く。

やばい奴っていう自覚はあるの?

えぇ…、更生させる義理かぁ。

確かに、一般人の私がするには、でしゃばってる行為なのかもね。



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