更生係の憂鬱生活
すっきりしたのか、晴れやかな表情を浮かべた代那は私の手に自らの手を伸ばす。
『えっ』
スルッと手を掴まれ、そのまま握られる。
「靴箱まで一緒に行こ」
唐突のスキンシップに動揺しつつも、断る隙がなく。
歩き出した代那に引っ張られ、私も歩き始めた。
前を向いたまま、代那は呟くように言った。
「…止めに来てくれて、ありがとう」
顔は見えなかったけど、貰った言葉に私は目を見開いた。
お節介だったかな、と少しだけネガティブになってた気持ちが救われた気がした。
『…どう、いたしまして』
素直な感謝の気持ちに、私は照れながらも
純粋に受け取って置くことにした。
ー…代那、“更生ルート”へ一歩踏み出す。