更生係の憂鬱生活
6【奏】
『はい、没収ー』
「えっ?あっ、あーっ!」
ピコピコと某人気ゲーム、ス○ッチを弄っていた奏の手から取り上げた。
まぁ、そのゲームの楽しさは理解できるけど。
学校にこんなにも堂々と持ち込む奴がいたとはね。
迷わず、ポイッと没収用の白い袋に入れる。
「澪〜、返してよ!」
『放課後に、また取りに来なさい』
うわーん、と泣きついてくる奏にピシャリと言い放った。
「うわ、三好からゲーム奪ったよ」
「殺られるんじゃない?」
会話からお察しできるだろうが。
時に、ここは教室である。
周りは、私と奏のやり取りにざわついている。
随分、不穏な想像を語られてるようだけど。
奏とこのようなやり取りをするのは、これが初めてではない。