更生係の憂鬱生活
教師陣から、学校に持ち込み不可の貴重品を持ち込んでくる馬鹿がいる、と報告を受けて見回りをしているわけなのだが。
目の前にいる三好奏こそ、最もその“馬鹿”に該当する人間だ。
全く、校則破りの常習犯め。
「スマホに、ゲームに酷いよっ!
僕から楽しみ奪うなんて最低!」
『校則に従っているだけだけど、何か』
泣き真似したって、返さんぞ。
文句があるのなら、校長に直談判しろ。
それでもって、論破されちまえ。
それじゃ、と袋を持って、奏の前から立ち去った。
見回りは何も、コイツだけのためじゃないし。
更生係として、抜かりなくやらねば。
「澪の頭でっかちー!!」
後ろから、奏の不満やら文句やらが聞こえてきたが、丸無視した。