更生係の憂鬱生活
白い袋を片手に廊下を歩いていたところ、代那とすれ違った。
「あ、澪ちゃん」
その場に立ち止まった代那に、私も足を止める。
「また没収したの?」
『うん』
「奏もよくやるなぁ」
呆れている代那に、コクコクと頷いた。
全くもって同感だよ。
一体何度取り上げれば、分かってもらえることやら。
代那は、私が喧嘩を止めてから、キレる回数が減ったらしい。
減った、といえ、まだまだ少なくはないのだけど…。
まぁ、とにかく、いい兆候ではある。
どんな化学変化が起こったのかは分からないけど、安心安心。
代那は、大人しくしていれば、穏やか好青年だからね。
ずっと平和でいてくれ。