更生係の憂鬱生活
放課後。
風紀委員会の部屋に、よれよれの奏が現れた。
「澪〜、ゲーム返して…」
『はい』
ゲーム機を白い袋から取り出して、奏に手渡す。
奏は、たちまちパァッと笑顔になって、ソレを受け取った。
子供か。
「やっと帰ってきた〜」
わーい、と万歳してるところ申し訳ないけど。
『次持ってきたら、売り飛ばすからね』
そろそろ、こりてほしいのだ。
「え」
売り飛ばす、と脅しをかける私に笑顔が凍る奏。
没収したところでキリがないし、多少強めに出ないと。
『…あのね、奏。
そういう貴重なものをほいほい学校に持ってきちゃ駄目なの。
ちゃんと家で管理しなよ』
盗まれたり、無くしてからでは遅いし、
もっと大切に扱ってほしい。